水道水の有害性と健康リスク！知らないと怖い危険物質とその対策

 はじめに

水道水は私たちの生活に欠かせない重要な資源です。しかし、近年、水道水の安全性について様々な懸念が指摘されています。本記事では、水道水に含まれる可能性のある有害物質とその影響、そして安全性確保のための対策について詳しく解説していきます。

水道水に含まれる危険な物質

水道水には、浄水処理の過程や古い水道管の腐食により、様々な有害物質が混入する可能性があります。ここでは主な危険物質とその影響について説明します。

鉛

鉛は古い水道管からの溶出が原因で水道水に混入することがあります。鉛は胎児や乳幼児の発育に深刻な影響を及ぼす可能性があり、成人でも高濃度の暴露は神経障害や腎臓障害のリスクがあります。水道水の鉛濃度に関する基準値は0.01mg/L以下と定められています。

鉛の危険性は長年指摘されてきましたが、未だに鉛製の古い給水管が使用されている地域では注意が必要です。特に、小さな子どもがいる家庭では、飲料水や調理にできるだけ水道水を使わないよう心がけましょう。

トリハロメタン類

トリハロメタン類は、水道水の塩素消毒によって生成される化合物で、発がん性が指摘されています。濃度が高い場合、膀胱がんや大腸がんのリスクが高まるとされています。水道水のトリハロメタン濃度には基準値が設けられており、日本の目標値は0.1mg/L以下となっています。

トリハロメタンは長時間煮沸することで除去できますが、短時間の煮沸では逆に濃度が上がってしまう可能性があります。食事や入浴時も気をつける必要があります。

アスベスト

アスベストは石綿と呼ばれる天然の鉱物で、かつては建築資材などに広く使われていました。しかし、アスベストの吸入は肺がんや中皮腫のリスクを高めることがわかり、現在では製造や使用が原則禁止されています。水道水にアスベストが混入するのは、主に老朽化した石綿セメント管の影響によるものです。

アスベスト濃度に関する水質基準値は設けられておらず、完全に除去することが求められています。水道事業者は定期的な調査と適切な対策を講じる必要があります。

有機フッ素化合物の問題

近年、水道水への混入が指摘されている有機フッ素化合物PFOS、PFOA、PFHxSなどは、発がん性や生殖毒性、免疫毒性などの懸念があります。国は暫定的な目標値を設定していますが、汚染の実態把握と対策が喫緊の課題となっています。

PFOS、PFOAの影響

PFOS（読み方：ピーフォス）は発がん性や免疫毒性、生殖毒性が指摘されており、PFOA（読み方：ピーフォア）も発がん性や生殖発生毒性の懸念があります。これらの物質は生物体内で排出されにくく、蓄積しやすいという性質があります。

動物実験では、これらの物質が甲状腺ホルモンや生殖ホルモンの分泌に影響を与えることが確認されています。また、ヒトでは胎盤を通過して胎児に移行する可能性が指摘されており、発達影響が心配されています。

水道水への混入と対策

これまでの調査で、一部の地域で高濃度のPFOS、PFOAが検出されています。国は暫定目標値を50ng/Lと設定していますが、より安全側の値を検討中です。水道事業者は定期的な水質検査と浄水処理の強化、汚染源対策などに様々な対策を取っています。

一般家庭でも、有機フッ素化合物を効率的に除去できるポット型浄水器の利用が有効な対策の１つとなります。

塩素の問題点

水道水の消毒には主に塩素が使われていますが、塩素自体にも健康への影響が懸念されています。ここでは塩素の問題点と対策について説明します。

塩素の健康影響

塩素は皮膚や粘膜を刺激し、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。また、塩素は野菜のビタミンCなどを破壊してしまうため、野菜の栄養価を下げてしまいます。動物実験では、高濃度の塩素が発がん性を示唆する結果も出ています。

WHO飲料水水質ガイドラインでは、塩素濃度が5mg/L以上になると健康リスクがあるとされています。一方、日本の水道水質基準の塩素濃度は1mg/L以下と、比較的厳しい基準が設けられています。

塩素除去の方法

水道水から塩素を除去する方法としては、以下のようなものがあります。

• 煮沸 - 10分以上の長時間煮沸で塩素は揮発します。
• 活性炭フィルター浄水器 - 吸着作用により塩素を除去できます。ポット型浄水器のMiz-Uであれば97.5％以上の残留塩素を除去可能です。
• 逆浸透膜(RO)浄水器 - 高い除去率を実現しています。
• 市販のお水 - 塩素を使わない処理方法のため、塩素はほとんど含まれていません。

塩素は水の殺菌に一定の役割を果たしていますが、過剰な塩素は健康リスクがあります。適切な浄水方法を選択することが重要です。

水質検査と安全対策

水道水の安全性を守るためには、水質検査と適切な対策が欠かせません。ここでは、検査項目と一般家庭での対策について説明します。

水質検査項目

水道事業者は、以下の項目について定期的に水質検査を行っています。

これらの検査結果に基づき、水質基準への適合が確認されています。しかし、基準値以下であっても完全に安全とは限りません。

一般家庭での対策

一般家庭でも、以下のような対策を取ることで安全性を高めることができます。

• ポット型浄水器の利用 - 種類によって除去できる成分は異なりますが、総合的に安全性が向上します。
• 市販のお水や浄水の利用 - 特に調理や赤ちゃんのミルク作りには安心です。
• 長時間煮沸 - トリハロメタンや塩素の除去に効果があります。
• 水質検査の依頼 - 自治体や民間の検査機関に依頼して、自宅の水質を確認することができます。

水道水の安全確保は、水道事業者だけではなく、日々利用する私たち利用者の双方で取り組む必要があります。

まとめ

水道水は生活に不可欠な資源ですが、有害物質の混入リスクがあり、十分な注意が必要です。鉛やトリハロメタン類、有機フッ素化合物、塩素などの危険物質について理解を深め、適切な浄水処理や対策を取ることが重要です。水道事業者による水質検査と消費者一人ひとりの意識の向上が、安全な水の確保につながります。今後も最新の科学的知見に基づき、水の安全性を守っていく必要があります。

よくある質問

水道水に含まれる有害物質にはどのようなものがありますか?

水道水には、浄水処理の過程や古い水道管の腐食により、鉛、トリハロメタン類、汚れ、濁り、有機フッ素化合物などの有害物質が混入する可能性があります。これらの物質は健康への影響が指摘されており、適切な対策が必要とされています。

水道水の塩素は健康に影響がありますか?

塩素は水の殺菌に一定の役割を果たしていますが、過剰な塩素は皮膚や粘膜への刺激、ビタミンCの破壊による栄養価の低下、発がん性などの健康リスクが懸念されています。長時間の煮沸や高密度の活性炭フィルターによる除去などの対策が重要です。

水道水の安全性を確保するためにはどのような対策が必要ですか?

一般家庭でも電気を使わないポット型浄水器の利用やミネラルウォーターの利用、長時間の煮沸など、自らも安全性を高める対策を講じることが重要です。

自宅の水質を確認する方法はありますか?

自治体や民間の検査機関に依頼して、自宅の水道水の水質を確認することができます。検査項目には細菌、有害金属、有機化合物、放射性物質など、様々な指標が含まれています。このような水質検査を実施することで、家庭における水の安全性を把握することができます。